取扱いについて
健康上の注意
- ビスフェノールAは、次の理由により特に有害な物質とは見なされていません。
・常温では蒸気圧が低いので、蒸気に曝露される危険は低い。
・皮膚に、短時間接触しても刺激作用はみられない。
・事故などで誤って少量飲み込んでも急性毒性は弱い。 - ビスフェノールAの粉塵は、眼に刺激作用があります。取り扱う際は保護眼鏡を着用して下さい。
- ビスフェノールAの粉塵に長時間あるいは繰り返し接触した場合は、皮膚に刺激を生じることがあります。太陽光線のもとでビスフェノールAに接触すると感作性皮膚炎を生じる恐れがあります。取り扱う際は保護手袋を使用することをおすすめします。
- ビスフェノールAの粉塵や蒸気を吸入すると、のどや気管支に刺激を感じることがあります。粉塵の発生を防止し、粉塵や蒸気を吸入しないようにして下さい。必要に応じて保護マスクをして下さい。
安全上の注意
- ビスフェノールAの粉塵は、空気中では粉塵爆発を起こす恐れがあります。粉塵の発生を防止して下さい。全ての設備は適切に接地(アース)して下さい。ビスフェノールAの保管タンクは窒素などの不活性ガスでシールして下さい。
- 溶融したビスフェノールAが入っている機器は、接触して火傷しないように、必ず断熱材で覆って下さい。
- ビスフェノールAは過酸化物、過塩素酸類等と激しく反応する恐れがあります。従って、酸化性物質との接触を防止して下さい。
許容濃度
ビスフェノールAには許容濃度及び管理濃度は設定されていません。しかし、日本産業衛生学会の許容濃度でいう第3種粉じん(その他の有機性粉じん)、すなわち吸入性粉じん 2 mg/m3、吸入性粉じん 8 mg/m3として管理することをおすすめします。廃棄する場合の注意
廃棄する場合は、焼却するか適切な廃棄物処理業者に引き渡して下さい。ビスフェノールを使用した製品について
ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂など、ビスフェノールAを原料として使用した製品については、それぞれの製造会社へお問い合わせになるか、それぞれの業界団体のホームページを参照してください。ポリカーボネート樹脂技術研究会のホームページ
エポキシ樹脂工業会のホームページ
使用取扱いの具体的事項につきましては、ビスフェノールA製造各社が発行している製品安全データシート(Material Safty Data Sheet, MSDS)を参照して下さい。